過去にウォール街に存在した、たった数年で数百億を稼ぎだしたと言われているトレーダー集団「タートルズ」。
このタートルズは投資のプロではなく、全くの素人集団からスタートしたというから驚きですよね。
それが数年でプロトレーダー以上のパフォーマンスを出し、伝説と呼ばれるまでに成長するのですから、どんな投資をやっていたのか非常に気になりますよね。
ここでは、そんなタートル流の投資術についてポイントと売買ルールを紹介していきます。
伝説のトレーダー集団「タートルズ」とは?
そもともタートルズとはどんな集団だったのか?
タートルズの発足は、1980年代のウォール街でリチャード・デニスとウィリアム・エックハートという2人が、まったくの素人を優秀なトレーダーに育てることは可能か?
という話になり、そこで2人が実際にそのようなことができるのか?と賭けをすることから始まりました。
結果はというと、伝説と呼ばれる投資集団が出来上がり、それがタートルズなのです。
メンバーの数は10名。
各人の職歴はというとゲーム開発者、弁護士、警備員、医者などさまざまで、投資に対してまったくの素人の人たちです。
それが短期間の研修を受けた後、彼らは忠実にそれを実行し、4年後にはプロ以上のパフォーマンスを出せるようになったから驚きです。
研修も短期間であったため、難しい内容ではありません。誰にでもできたというのがポイントでしょう。
タートル流投資のポイントは4つ
タートルズはトレードを始める前に研修を受けています。
彼らはこの研修で学んだことを忠実に守ったと言われています。
ここがひとつのポイントですよね。
どんなにいい手法やルールがあっても、それを破って自分都合のやり方に変えてしまい、大損してしまう人がよくいます。
ちょっと学んで、ちょっとトレードをやってみて、上手くいかなかったら別の手法を試して。。。
こんな人は勝てないトレーダーの典型なパターンです。
まずはこれ!と決めたらそれを徹底的にやってみる。
タートルズは投資に対してまったくの素人であったがゆえに、ヘンな専門知識や偏見がなかったため、素直にアドバイスを受け入れることができたのかもしれません。
そのような素直な人達だからこそ、物凄いパフォーマンスが出せたのかも。。。
ちょっと話はそれましたが、タートルズ流の投資方法は大きく4つのポイントで成り立っています。
資金管理・リスク管理・ポジション管理・売買手法です。
ちょっとFXをやったことがある人なら、どれも当たり前では?と思うことかもしれません。
では、次の章から各項目について詳しく説明していきましょう。
資金管理方法
FXは資金管理が大切とみなが口をそろえて言いますが、タートルズでも例外ではありません。
ここでの資金管理は、1回のトレードでどれくらいの損失を受け入れるのか?ということです。
初心者にありがちな失敗として、損切ができずに、1回のトレードで資金の大半をなくしてしまうことが挙げられます。
損切とは、相場が自分が思った方向とは逆に動いたときに、持っているポジションを損失をもったまま決済することです。
誰しもが稼ぎたいと思ってFXをやっているので、自ら損失を確定させることは嫌ですよね。
けど、これをやらなかったらもっともっと損失が大きくなる。
タートルズではその損切を確実に行うこと、そして損切の額を最大で資金の2%以内に抑えることとしています。
損失の額を資金の2%にすることを前提として、ではエントリーするロットはどうするのか?
タートルズではATRというテクニカル指標を使います。
取引量=総資産の1% / ( ATR20 × 取引単位( × 為替レート ) )
ATRとはAverage Ture Rangeの略で、各通貨のボラティリティ―(価格変動)を表わすテクニカル指標です。
このATRの数値が大きければ、相場がよく動いている、少なければあまり相場が動いていないということになります。
ATR20とは20日の平均的な変動幅ということです。
MT4を使えば下記に表示させることができます。
「挿入」→「インジケーター」→「オシレーター」→「Average Ture Range」
画面下部に表示されているのがATRです。
例えば、資金を100万円の場合、損失が1%なので1万円です。
この時、ドル円のレートを100円と仮定して、ATR20を0.5(50pips)であった場合、エントリーできるロットはというと、
1万円 / ( 0.5 × 1 ) = 2
つまり、2万通貨となります。
このように、直近の相場から為替レートの変動率を割り出し、エントリーするロット量を決める。
これがタートルズ流の資金管理です。
リスク管理方法
続いてはリスク管理です。資金管理方法のところで1回のトレードでの損切額は資金の2%だと説明しました。
つまり、ATR20の2倍の幅が損切のポイントになるのです。ATR20が0.5の場合は、100pipsです。
こうすることで、チャートの突発的なヒゲでポジションがクローズさせられることもあまりありません。
また、タートルズが資産を増やす秘訣として、増し玉が挙げられます。
増し玉というと、あまり馴染みがない言葉かもしませんね。
最初のポジションで利益が乗っている状態で、さらに同じ方向(買いポジションなら買いを)に、ポジションを追加することを言います。
トレンドは長い間持続することが多いです。そのため、トレンドに上手く乗って利益を伸ばすことが大きく利益を増やすことに繋がります。
具体的には、上昇トレンドであれば、買いのポジションを追加していく。
つまり、増し玉を行うというわけです。
タートルズでは、1度に4つのポジションまでを持つことが許されています。
追加するタイミングはATRを用いて、ATRの半分の値幅だけプラス方向に動いた場合です。
その場合、損切は2ATRの位置ですが、最初に持ったポジションも2つ目の損切の位置まで移動させます。
仮に4つのポジションを持った場合では、すべてのポジションが4つ目のポジションの2ATRの位置になります。
実はこの増し玉と損切位置の移動(トレーリングストップ)を行うことで、リスクを低減させているのです。
本来であれば、4つのポジションを持つと、4×2ATRで資金の8%を失う可能性があります。しかしながら、実際は以下のように、5%で済むことになるのです。
1ポジション 2ATR
2ポジション 2ATR+1.5ATR=3.5ATR
3ポジション 2ATR+1.5ATR+1ATR=4.5ATR
4ポジション 2ATR+1.5ATR+1ATR+0.5ATR=5ATR
ポジション管理方法
タートルズでは分散投資を行っていました。
例えば、FXに関していえば、短期トレード、中期トレード、長期トレードなどに分散する方法です。
長期トレードでは買いポジションを保有しているが、短期トレードでは売りポジションも持つこともあります。
ただし、そこにもポジション数を最大で24ポジションまでという制限を掛けていました。
また、分散投資をすると言っても、買いポジションばかりを持つわけではなく、買いポジションの数も12までとしています。
売買手法(エントリーと決済)
タートルズが使っていた手法はドンチャンチャンネルブレイクとよばれるものです。
ドンチャンチャンネルとはある期間の最高値と最安値に水平ラインを引き、その間のこと(レンジ帯)をチャンネルと言います。
ブレイクというくらいですから、このチャンネルを上方向もしくは下方向にブレイクしたらエントリーという手法です。
タートルズでは期間を20日と定めています。
ドンチャンチャンネルは別名ハイローバンドともよばれており、MT4でもフリーのインジケーターがあります。
実際のエントリー箇所を添付します。
上の水色の線が20日最高値で下の肌色の線が20日最安値です。
エントリーは上記のブレイクで入り、損切は2ATR。
では利確はどうするのか?というと、エントリーと同じくドンチャンチャンネルを使います。
今度は、期間を10にして、10日ドンチャンチャンネルです。
例えば、20ドンチャンチャンネルを上方向にブレイクした場合は、買いでエントリーします。
利益が乗っている場合は、10ドンチャンチャンネルを下回った時に決済といった感じです。
まとめ
以上のように、タートルの投資術についてさまざまなポイントを説明してきました。
正直これだけ?という印象を持った人はいるのではないでしょうか?しかしながら、実際にこれで稼げているのです。
私なりのポイントとしては、3つの管理(資金管理・リスク管理・ポジション管理)ではないでしょうか?
相場は生き物ですから、いつの時代の相場に適応できる完璧な手法はあり得ません。
ですが、上記の3つの管理方法はどんな相場でもいつの時代でも使えます。
FXで稼ぎ続けるには、相場に残り続けることは必須です。
ロスカットで大幅に資金を減らして退場してしまえば、意味がありません。
そのためにはこの3つの管理は必要不可欠でしょう。
タートルというように、亀のようにしぶとく相場に残り続けること。
今後のFXライフの参考にして頂けたら嬉しいですね。
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