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トルコ中銀利上げについて

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トルコ中銀利上げについて

トルコ中銀が6/7に政策金利を16.5パーセントから17.75パーセントに1.25パーセント引き上げを決定しました。

これを受けて、大幅なトルコリラ高を演出しました。

今回は、なぜ、このトルコリラが急騰をしたのかのお話をしてまいりたいと思います。

以前の復習

トルコリラが売られている根本的な原因というのは、

  • アメリカドルが上昇したこと
  • 金利が上昇をしたこと

この2点は大丈夫でしょうか?

そもそも世界のお金の流れというのは、古くは南北問題、最近では新興国から先進国、もしくはその逆の流れで代表をされます。

2000年以前はこの南北問題によって資金の流れが決定したのですが、2000年以降はBRICSの隆盛によって先進国と新興国の区分けによって資金の流れが決まってきた経緯があります。

 

少し、古い話であれば南北問題によって資金の流れが決定していたのです。

しかし、その資金の還流というのは南半球から北半球への資金の一方的なお金の流れでした。

つまり発展途上国からアメリカへの資金の流れが顕著で、開発途上国で稼いだお金はすべてアメリカやそのほかの先進国にお金が流れたのです。

一方で、北半球から南半球に流れることは極めてレアケースでした。

 

お金が南半球から北半球に流れるのは、要するに人々は、お金を置いておくだけで、そのお金を使って利子や投資の利益をもたらしてくれる場所を探しているだけの話です。

つまり、昔は南半球で稼いだお金を南半球に置いておくよりも、アメリカやそのほかの先進国にお金を投資や預金をしていたほうが儲かったから一方的な流れになったのです。

その変わり先進国の中でも景気のブレが生じ、たとえば日本が景気がよくなれば、アメリカの景気がよくなるというような、ことがあり、この場合にはアメリカから日本にお金が流れたのです。

 

ところが、最近起こった大不況であるリーマンショックでは、先進国が軒並み貧乏国に転落をして、先進国の中でのお金の循環がなくなったのです。

ですから昔はアメリカが景気がよかったら、ユーロや日本が景気が悪いというようなマチマチな景気循環だったのですが、今は、アメリカ、日本、ユーロもすべて悪いと一致するような動きになったのです。

ですから、アメリカは1990年代後半からずっと悪いままだったのですが、それが2000年の9.11によって決定打になったのです。

 

アメリカが悪ければ、当然、日本もユーロも悪いということになり、だったら新興国にお金を投資、預金したほうがよいという流れになったのです。

つまり今と昔ではお金の流れが変わっているのです。

ともかく、お金というのは景気の悪いところから良いところに流れる、水が高いところから低いところに流れるように、のような動きになるのは不変のことなのです。

 

今回のトルコ安というのはアメリカドル高、金利高から発生したものです。

では、

アメリカのドル高、金利高は大きい流れでいえば訂正されるか?

と言われれば、当面の間無理でしょうと言わざるを得ません。

アメリカはよほどのことがない限り2030年くらいまで成長が続くと予測されます。

つまり大きい流れでいえばアメリカを買っとけば儲かる可能性が高いということになります。

 

ですから、リーマンショック直後にトルコ円は100円近くの高値を出しましたが、その高値を当分、抜くことはない、ということなのです。

なぜなら、アメリカが完全に不況から脱し、これからはアメリカがトランプさんの言うように世界最強の経済大国になっていく、現在、そのプロセスの途中にいるからです。

つまりトルコ円が100円からだらだら下がり続けたのは、アメリカがリーマンショックという大不況を克服し、アメリカに預金や投資をしたほうが儲かるから下がってきたのです。

この流れは当面変わらないと思います。

 

お金の流れは昔は、南半球から北半球への一歩通行、そして先進国の中でお金が循環していたのです。

1990年代後半以降に、先進国が軒並み急拡大の成長から安定成長に向かい、そして新興国が逆に急速発展をしたのです。

その典型例が、中国を筆頭とするBRICSになるのです。

ここから新興国と先進国の間をお金が行ったり来たりする、の繰り返しになっているのです。

 

現在は、新興国から先進国にお金の流れが出来上がっており、この流れはまだ変わる見込みがない、ということになります。

ですからトルコ円は大勢感では「売り」になるのです。

売り過ぎたトルコ円

去年の秋からトルコ円の売りは加速をしていると思います。

これは、以前も説明した通り、アメリカがQEという量的緩和政策を止めたことに起因をします。

 

このQEというのは要するにアメリカドルが輪転機を回して増刷することを止めたのです。

そうなるとドルの需給は、いままであふれるほどあったのに、もう輪転機を回さないといったのですから供給が減り、景気はよくなっているので、需要が上回る状態になります。

そうなると、結果的にドルが引き締まり、ドル高になったことがトルコの売られる理由になるのです。

 

そして今年1月には、トランプ大統領肝いりの法人税減税を端緒に、アメリカの借金が増え、今までちっとも上がらなかった金利が上昇し、さらにトルコリラが流出をしたのです。

そして、今年の春には、独裁者色を強めるトルコのエルドラン大統領が、トルコリラの金利を下げるとコメントしたことに対してより一層、トルコリラの下げが急になっただけです。

その結果、トルコリラが私の計算する基準値より3割程度安くなったので、個人的な意見としてトルコの買いを推奨したのです。

 

でも、おおきな流れ、つまりアメリカドル高、金利上昇の流れは2030年まで続くと考えると、

大きな流れは売りですよ

と私は言いたいのです。

目先の1年、2年上昇しても、大きな流れは売りだとは考えています。

つまり、南アフリカが最近とみに売られていますが、これまたトルコと同じ構図なのですが、そのほかのことが材料となって売られているのです。

詳細な解説

さて、今まではトルコが売られている原因の話をしましたが、これからが今回の本番になります。

まず、トルコから資金が流失していることがトルコ安の原因になるのですが、そのトルコが安すぎることが私の買い推奨の理由になります。

人間が間違いを必ず起こすように、マーケットも必ず間違いの値段をつけるのです。

なぜなら、マーケットというのは人間がコントロールしているのですから間違えるのは当然のことです。

よく相場は絶対に正しいという輩がいますが、それは相場技術におけるメンタルの面からそう言っているだけの話で、相場なんて、人間と同じように間違いだらけの代物です。

 

それが、トルコは適正水準に戻るまで、私は買いだよと言っているだけの話です。

前回も少しお話しをしましたが、トルコからお金が流れだす、メカニズムを詳細に書いていきましょう。

トルコ中央銀行の政策金利の流れ

上記はトルコ中央銀行の政策金利の流れです。

こうやってみているとトルコの金利など、過去と比べると現在の17.75なんて大したことがないことがわかります。

 

過去の金利状況をみるとここ最近は、トルコから資金が流出していないから、金利を安く誘導できたのですが、去年の秋からアメリカへ資金流出した辺りからおかしくなっているのです。

1年間のトルコの政策金利の推移

上記は過去、1年間のトルコの政策金利の推移です。

5月にいきなり16.5にして、そして6/7に17.75にしています。

つまり大統領が金利を下げる、と訳の分からないことをいって余計にリラを下げさせたのですが、トルコ中銀は独裁色の強い大統領に反抗的な態度を取りながら、金利を上げたのです。

要するにトルコ中銀は5月、6月と今まで一切、動かなかったのが2回利上げすることによって「これ以上のトルコ国内から資金流出は許さない」態度を示したのでリラは下げ止まったのです。

利上げ幅の詳細な解説

トルコの物価上昇率

上記はトルコの物価上昇率、インフレ率になります。

今年の5月から急速にインフレ率が上昇しており、これは通貨安に起因されるものと考えられます。

日本で円安になると物価が上昇するのと同じようなものとお考えください。

同様に去年の秋もインフレ率は急騰していますが、これはアメリカのQE停止によって、トルコからアメリカに資金が流出した結果です。

 

一方で、トルコでお金を稼いだ人たちは、トルコにお金を置いておきためには、物価上昇よりも金利が安い状態ですので、トルコリラをもっていれば、そのお金は目減りすることになります。

去年100万円でかえたものが、今年は112万円ださなければかえない状態であれば、トルコ国内に預金を置いておいたら損をするので、トルコの人たちはせっせと稼いだお金をアメリカに送金をしたのです。

これが資金流出の背景になります。

 

5月のインフレ率が12.15パーセントということは、去年の5月に88万円で買えたものが、ことしは100万円ださなければ買えない、ということになります。

こういった状態にならないためには、トルコ中銀は何をするかといえば、政策金利という預金金利を引き上げるのです。

 

要するに年間のインフレ率が12.15パーセントなのであれば、預金金利を12.15パーセント以上にすれば、100万円でかえたものが、今年も100万円で買えることになります。

ですから、実質1パーセント程度のお得感が出るように、最初にレポ金利を13.5パーセントにしたのです。

そこで、いったんリラ安は止まったかのように見えたのですが、大統領が金利を下げるといったのですから、さらにリラが安くなったのです。

この状態で金利を下げたら、リラ安が加速するということが根本的にわかっていない、大統領ですから仕方ない訳です。

 

そこで、トルコ中銀は大統領に処刑される覚悟でさらに3パーセント政策金利を引き上げて16.5パーセントにしたのです。

これで、大統領の失言で売られたのが止まっただけで、上がりも下がりもしない、という状態になったのです。

それで今回利上げし、17.75にしたことによってアメリカにお金を送金するよりもトルコ国内にお金を置いておいたほうがお得な水準になるということから、トルコリラが急騰したのです。

今後の展開

先ほど、日本が円安になるとガス代、電気料金などが上昇し、物価があがるとお話しをしました。

トルコ円で見た場合、去年の6月が31円で、現在が24円になります。

この間、トルコリラは30パーセント下落をしています。

つまり物価も単純計算をすると30パーセント近く上昇をする可能性があるのです。

要するにトルコ中銀が本気でアメリカへの資金流出を防ぎたい気持ちがあるのであれば、今後、政策金利は最大で30パーセントくらいになる可能性があります。

つまり物価上昇より低い中銀金利ですと、アメリカへ資金が流出してしまうので、今後も物価が上昇する可能性が大きいのですから、中銀は政策金利を引き上げざるを得ない状況になるのです。

 

要するに今後もFXでのスワップ金利は上昇する、と言っているのです。

その上に割安なリラになるのですから、当面は、大統領の失言以前の水準である25-26円までは簡単に戻るでしょう。

しかし、この資金流出によって国内の製造は疲弊していますので景気が悪いのです。

 

この回復は通常の経済学の教科書では最短で3か月から6か月はかかります。最短だと9月になります。

私が9月から本格上昇と言っている意味がわかりましたでしょうか?

現在、そのスピードアップが日本円でも見られており、はやければ8月からかもしれない、と考えています。

 

なんとなく言いたいことは理解できたかと思いますが、やはり一回で説明できない部分が相当多いものです。

本来は中銀の利上げ幅がなぜ1.75だったのかの説明もしようと思ったのですが、紙面が足りず、これも数十回に分けて解説をしなければなりません。

ただ、冒頭に書いた資金の流れを説明もきちんと理解しておかなければならないものですので、いろいろと書くことが多いと思う次第です。

ただ、安心してほしいのは、何度も同じことを繰り返し説明しますので、一回で理解できなくても、二回、三回と書きますので一回目であきらめないでほしいと思います。

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角野 實(かどの みのる)

角野 實(かどの みのる)

大学を卒業後、金融機関に15年勤め、FXシステムの開発、セールスに携わる。 その後、独立し投資顧問会社を設立。 2018年6月には、投資顧問会社を売却し、那須の山奥で悠々自適な生活を送る。 マーケットに対し、ロジカル且つシンプルな見解は多くの賛否両論を生む。 「理解が出来ないなら、それで良い。反論するなら、それなりに勉強してから来い。それ程、相場は甘くない。」

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