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トルコリラ天国への道 角野實

南アフリカランド急落について

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角野 實(かどの みのる)

角野 實(かどの みのる)

大学を卒業後、金融機関に15年勤め、FXシステムの開発、セールスに携わる。 その後、独立し投資顧問会社を設立。 2018年6月には、投資顧問会社を売却し、那須の山奥で悠々自適な生活を送る。 マーケットに対し、ロジカル且つシンプルな見解は多くの賛否両論を生む。 「理解が出来ないなら、それで良い。反論するなら、それなりに勉強してから来い。それ程、相場は甘くない。」

更新日:

南アフリカランド急落について

私はブログの原稿を書いてください、と言われるとたいていはFXに関しては先進国通貨に関して書いてきたのですが、今回、こちらに寄稿するようになってトルコやメキシコ、南アフリカランドについて書いてください、と言われたのです。

トルコに関しては投資家のみなさんからよく質問をされていたので、たまにチェックをしていたのですが、ランドは真面目に調べるのは初めてだと思います。

こういう機会を作ってくださったサイトオーナーに感謝いたします。

 

もちろん去年までトルコに関しては、売り、としか言わなかったのですが、今年の4月くらいから買ってもいいかも、と思ったのです。

なぜなら、私が計算をする理論値、なししは基準価格を下回りそうな勢いで下がっていたからです。

そのときは10パーセントくらいしか安くなかったので、3割くらい安くないと買う気が起こらないと見送ったのです。

で、5月に安くなったからそろそろ買おうか、と思うと、ロスの嵐で、慌ててレバをかけないで買った次第です。

ただ、最安値では買えましたので10年くらいもっていれば3倍くらいになるかな、と思うだけです。

 

トルコのチャートついでに、南アのチャートも新たに作ったら、強烈な売り線が出ていましたのでなんだろうな、なんて思っていたのです。

今回は南アの急落の原因と今後の展望についてお話しをしていきたいと思います。

急落の原因

南アのGDP成長率

上記は南アのGDP成長率になりますが、このグラフをみて2018/1-3月期のGDPが大幅にマイナスになっていることはみなさんおわかりになると思います。

急落の原因は、これか、と思ったのですが、その構成項目などをチェックしていると、予想通り、主な原因は鉱業になります。

そのほかに農業と、工業も下押しの原因になります。

農業

農業成長率

工業

工業成長率

鉱業

鉱業成長率

好調なものは

サービス業

サービス業成長率

政府支出

政府支出

になります。

要するに、鉱工業、農業がまるでダメだったことが2年ぶりのマイナス2パーセント成長を記録したのです。

こうやってグラフにすると何の産業が悪かったのかはおわかりになると思います。

 

みなさんは南アというと、鉱業というイメージになると思います。

現在でも、南アフリカプラチナ生産量は世界一を誇っています。

つまり南アフリカは鉱業国というイメージがあると思います。

私は、プラチナバブルのときに必死でプラチナのトレードをしていましたのである程度、南アフリカのことを知っているつもりだったのですが、調べてみると私が全くの無知であることに気づいたのです。

 

そういえば、去年の末にズマ大統領が汚職によって退陣するとかニュースでやっていることはなんとなく知っていましたが、興味もないし、南ア関連のトレード、プラチナを含めやっていませんでしたので、詳細に調べようと思ってはいませんでした。

ただ、年末から年明けにかけてプラチナは下がるということは投資家のみなさんには周知をしましたが、それはプラチナの需要に関する問題であって、南アは関係ない、と思っていました。

この大統領の退陣も多少関係があったのかと、今、恥ずかしながら知りました。

 

参考までに、プラチナは現代産業のコメといっても過言ではないくらいの貴金属です。

プラチナというと、結婚指輪や宝飾品というイメージがありますが、それもある意味大事なのですが、プラチナは今、全世界で問題となっている環境問題に密接に関係があります。

 

プラチナやパラジウムなどの白物系金属、PGMといいますが、これらは触媒としての機能があります。

この触媒機能によって自動車の排ガスである二酸化窒素と化合して有害な物質を除去する機能があり、そして、今、全世界で今後、主流となる電気自動車の蓄電池の触媒としても使われます。

1990年代後半から、このプラチナは世界的な環境規制の強化によって需要が盛り上がったのです。

バブルの日経平均を崩壊させたとして名高いタイガーファンドは、東京工業品取引所のパラジウムをスクイーズし、その結果、自殺者が出るほどの高騰をしたのです。

 

そういう話を聞きつけると、放ってはおけない相場師的性格から私は参戦したのです。

最終的にパラジウムは溶けあい、要するに強制手仕舞い相場のこと、になったくらいだったのです。

値段は500円くらいから半年で7500円くらいになり、レバレッジが当時500倍だったと記憶しています。

そういう相場を経験している過去が私にはあります。

この話をしだすと長いので、このくらいにしておきましょう。

 

ともかく、プラチナは南アフリカの主要な産業のひとつです。

しかし、このプラチナに替わる代替商品が日本で発明されたのが、確か、去年の夏か、秋だったと思います。

発明ではなく、実用化されたのです。

その会社は人形町にある日清紡という会社で、触媒をプラチナから炭素に変える技術を実用化させたのです。

この触媒は主に、燃料電池、つまり、電気自動車の蓄電池に将来、採用される可能性が高い技術になりますので、将来、プラチナの価格が下がることを見越して先物に大量の売りがありましたので下がるよ、と言っただけの話です。

 

実際にはまだ、ポータブルの電池程度の出力しかありませんが、最近のポータブル電化商品の値段が徐々にさがっているのはこのためだと思います。

高価なプラチナを使用せずに、炭素、要するに単なる「炭」のこと、で代用できるのですから下がって当たり前のことです。

このようにさまざまな電化製品に採用をされ、将来的には自動車の燃料電池、さらには水素電池にも採用されることは確実ですから、南アのGDPが下がって当然のことです。

ふと気づくこと

先ず、最初に書いておきますが、このコラムで書くと決めたことと、今、書こうと思ったことは結論が違います。

この間違いに気づいた方は、読解力が本当にあることでしょう。

先ずは、最初に書こうと思ったことを書きます。

南アフリカのGDP2

上記は南アフリカのGDP、過去5年間のものになります。

みなさんは気づくと思いますが、このGDP、ここ最近は年初に必ずマイナスになります。

年初というと、GDPはどこの国も共通で4半期ごとに発表になりますので1-3月期になります。

 

つまり1-3月期ということは冬になりますので、先進国もこの1-3月期は経済の成長は停滞します。

なぜなら、人間というのは基本的に熱帯、ないしは亜熱帯に生きる動物であり、寒い時期は行動が鈍るからです。

真冬にお家の前が雪で埋もれていたら外にお出かけの気分になるかといえば、たいていの人は、そんな寒いところに行くのはイヤだからお家にいるということになると思います。

そういう波及効果がありますので冬場の世界成長は鈍化します。

 

今年の冬も、好調と言われる日本、アメリカ、ユーロの成長は鈍化しています。

日本に至っては1-3月は南ア同様、マイナス成長になります。

つまり、冬場というのは、経済成長は鈍化しやすい傾向にあり、南アフリカも経済が鈍化したのであろうということが言えます。

ですから、

冬場が終われば、次期の2018/4-6月期はまた成長が復活するだろう

とかんたんに想像ができると思います。

つまり、ここの安値は買いになるだろう、ということが想像できると思います。

 

また、みなさんは、南アフリカというとどんなイメージでしょうか?

日本人だけではないと思いますが「南」というと、あたたかいというイメージがあると思います。

そしてアフリカだと熱帯性気候だから、暖かいと思うのが普通だと思います。

 

しかしよく、考えてください、船の航路に喜望峰経由というのがあるように、南アフリカといっても北半球の南ということは南極に近いということであり、南アフリカの冬は相当に厳しいということがわかると思います。

つまりみなさんがイメージした暖かさとは雲泥の違いになるのです。

しかも鉱山、プラチナ鉱山、昔は金の生産量も世界一でしたので、山に囲まれた国とも想像できます。

つまり高地が多いと想像することができますので、標高の高いところは地球上のどこへ行っても寒いというのは想像がつくと思います。

おまけに緯度も高いなら、下手したら、日本よりも寒いのではないか、と思うのです。

そういったわけで、南アフリカの冬というのは異常に寒いのですから、冬場のGDPが一時的に下がっても全然、おかしくないのです。

 

さて、以上が、私が、これを書く前に書く内容と決めていたことです。

この中にはある、決定的な間違いがあります。

さて、どこでしょう。気づいている人はすでに気づいていると思いますが、気づかない人はまだ気づかないことでしょう。

こういうことがロジカルに考えることであって、本当に、私はバカみたいな間違いを犯しています。

よく、考えてから次の文章を読んでください。

 

正解は、南アフリカがあるのは南半球になりますので、日本とは季節が正反対になるのです。

ゆえに、日本が真冬の場合、南アフリカの1-3月は真夏なのです。

つまり、寒くて動けない、という推論はそもそも根底から間違っており、ほかの要因で、GDPがマイナスになっているのです。

 

半球の先進国は、中国を含む、冬の経済成長が止まるのは事実です。

おそらく貿易などの出荷量が減るから落ち込んでいるのだと思います。

これは今後、データを調べておきますが、結論的には、おそらく1-3月にGDPが下がるのは季節性のものになると思います。

南アの問題点

南アフリカは、みなさんも昔に義務教育で学習をしていると思いますが、昔からアバルトヘイトに代表されるように政治が不安定な国になります。

去年の秋からズマ大統領の汚職によって、政治が混乱したことも1-3月期に経済が停滞したことが原因です。

 

しかし、もっとも構造的な問題は電力の供給不足です。

この問題は1990年代から発生しており、よくプラチナ鉱山でストライキや、電力の供給不足で、出荷が停止されることが日常茶飯事です。

みなさんも、東京、東北圏内に住んでいるときに、電力の供給不足から停電になることの不便さを、身をもって感じて知っている方も多いでしょう。

 

つまり現代社会にもっとも必要なものは食料とエネルギー、このエネルギーは電気と置き換えることもでき、電気がなければ世の中は上手く回らないものです。

原子力発電の怖さを、身をもって知っている東京、東北圏内のひとたちは、原子力発電全廃を叫ぶ、小泉元首相の意見に賛成の方も多いと思います。

でも、実際に電気の供給が不安定なのは経済を本当に低迷させます。

 

南アフリカは1980年代のような貧困の時代から脱しましたが、いまだに国際社会の資金援助を受けながらも、電力の供給が安定をしません。

電力供給量とPMI

上記のグラフは5年間の電力供給量と景気の良い悪いを判断するPMI、購買担当者指数、になります。

見事に電力の供給が細ると、景気が悪化するのがわかると思います。

そのくらい、電力の供給というのは経済と密接な関係性があるのです。

ランドの行方

目先の話は、南ア自体は、1-3月期には停滞をするけど、4-6月期はいつものように復活するでしょう。

また、ランドが下がってもおそらく、中銀がレポ金利や政策金利を引き上げてキャピタルフライトを防止することになると思いますので、大幅な下落はないようなイメージになります。

つまり、どこで買いになるのかはわかりませんが、安値を見届けてからは買いになると、現時点では思っています。

 

プラチナの価格も今後のドル高によって下がるでしょうが、関連商品である、パラジウムやゴールドなどがまだ、本格的な下げには早いと思いますので、しばらくは値段が持ち合うことになりますので大きな収益の低下にはならないと思います。

また電気自動車への採用は、まだ数年はかかるでしょうから、需要もそれほど大きくは下がらないと考えています。

何れにしても、ランドが急落をしても、あまり悲観的になる必要はないのでは、と思います。

かといって、すぐに買い、とは私は一言も言っていませんのでご承知願います。

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