日米株式市場は見るも無残な大暴落を演じてしまった12月後半。恐怖指数は20を超えて30を切るか切らないかの微妙な状態が続き、ピーク時は36をうかがってしまう状況。
原油価格もピークの70からだらだら下がり50を切って、一時は42台まで下げを演じてしまった。先日はNYダウが1000ドルを超える高騰というニュースもあったが、所詮下落局面の戻しだったとなれば、年明けの市場動向が気になるのも当然だろう。
政治経済や、地政学的きな臭いニュースも飛び交う状況でも、われらのトルコリラはなんとも、しぶとい動きだ、実に頼もしい。でも本当にトルコリラにスキはないのだろうか?


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今週のトルコ各種指標推移
今週もいくつかの経済指標が発表されたぞ、消費者信頼感、景気感、設備稼働率と立て続けにあったが残念なことにいずれも予想を下回るという結果に沈んでしまったのだ。
原油価格の低下が経済活動を下支えしてくれてはいるものの、高いインフレ率が継続する中では、個人も企業もなかなか活発にはなれないという状況なのだろう。
消費者信頼感
予想60.7に対して結果は58.2(前回は59.6)で予想も前回値も下回ってしまった。
景気感
予想95.5に対して結果は91.5(前回は92.8)でこちらも同様に予想、前回値両方を下回っている。
設備稼働率
予想76.5に対して結果は74.1(前回は74.1)で予想をしたまわったもののかろうじて前回値と同値。
年初からの推移をみるといずれも、今年の夏前の状態には程遠く、改善の兆しが見て取れないのが現状だ。
悪い数字がならんだもののトルコリラが大きく下げていないことだけが唯一の救いだな。


テクニカルな視点で見ると、何やら20円半ばには何かがいるように見えてしょうがない。「もう、この下へのトライは断固許さんぞ!」的な何かがね。一方、もしここを抜けたら今年の最安値をトライしそうで要注意。
なにがあったかのおさらい
経済活動や消費活動は前出の通りいまひとつであったが、最近は実にいろいろな出来事があった。何といっても米国トランプのツイッター砲ではないだろうか。
米軍がシリアから撤退ということになった。シリアといえばトルコも最大関心地域だ。そもそも米国は過激派組織「イスラム国」との戦いにて、トルコからみればテロ組織という位置づけのクルド人民防衛部隊(YPG)を支援していたわけで、トルコ国内での反米感情の元になっていた懸念事項だ。
その米軍が撤退してしまう。こうなると、この地域では、撤退した米国に代わりトルコの存在感が俄然強くなる(強められる)好機到来ともなるだろう。
俄然、トルコは軍の強化に舵を切ったようだ。米国トランプ大統領との会談も計画されていたり、地域諸外国(ロシアだろう)との会話も加速度的に進められていると聞く。

ついこの前まで、ロシアやイランとの関係強化を模索していたトルコだが、ここへ来て米国との関係改善となれば、ロシアやイランへの接近は一旦停滞するのだろうか。それともトルコは対ロシアにおいても絶妙な外交手腕を発揮するのだろうか。
地政学的な力関係が大きく変わりそうな話なので、色々妄想したくなるネタが満載だな。
米国との関係が一時期の険悪ムードから一転して良好な関係になりつつあるとみてよいのだろう。
なんとも目まぐるしい展開だが、外交ってこういうものかもしれない。株価同時下落の最中でも一気に暴落しなかったトルコリラの強さ(?)はこういったところも一因なのだろう。
心配な点は、今後シリア絡みでトルコが軍力を行使するようなことが起きないでほしいという事だ。もしそのようなことが起こると、トルコリラへのネガティブインパクトとして市場に影響しかねない。
加えて、つい先日(12月25日)にトルコ政府は最低賃金を26%アップするとアナウンスしているのだ。

おいおい現在のトルコインフレ率より高い数字だぞ。国民は喜ぶかもしれんが企業はたまったものではない、賃金を上げなければならんなら、やや停滞している雇用にさらなる悪影響がでかねない。
やはり、3月の地方選挙を意識した支持率アップ大作戦の一環なのだろうか。こういった景気刺激策は選挙後の3月以降に反動が不安視されてしまうので、やっぱりトルコリラは来年3月が大きなターニングポイントなのかも。
おまけに、この時期って英国ブレグジットの件や米中貿易戦争の猶予期間とも被るので要注意だな。
ファンダメンタル(ニュース)とテクニカルを両方みるぞ
景気の良い話は好景気時ほどよく反応する。景気の悪い話は景気の悪いときほどよく反応する。ニュースをチャートにマッピングすると、よくこんな関係にあることはご存知かと思う。
最近のトルコ発「威勢の良いニュース」は、どちらかというと「よいニュース」であろう。さて上記に当てはめると、どのように評価すればよいのか。
・テクニカル的にやや上値が重いじわじわとした下落になってもニュースで救われ戻している。
・テクニカル的にやや上値が重いじわじわとした下落なので、いくら良いニュースがでても、ちょっと戻す程度でトレンド変換といえるところまでは戻れない。(つまり、弱い相場が継続している)
あなたはどう解釈するのだろうか。
週足チャート、日足チャートを以下に掲載した。注目したいのは日足の黒いライン(26日シフトの遅行スパン)だ。
これまでトルコリラ円が順調に上昇していた期間はこの遅行スパンはローソク足の上を推移し、たとえローソク足に接近しても反発して上昇を継続していたのだが、ここへ来てローソク足に絡み、いままさに下へ抜けようとしているじゃないか。


非常に微妙な時期なのだ。仮にローソク足を確実に下抜けしてしまうとトルコリラ円は上昇局面から調整もしくは下落局面に入ったと判断されやすい。
週足は一貫して遅行スパンがローソク足の下から抜けられない状態なのだから、日足も同じ方向へ向かっても何ら不思議ではない。
今回は週足BBは、±2σしか記載していないが、週足ローソク足はBBのプラス1σラインにしっかりおさえつけられている。
弱い相場局面の時ほど、悪いニュースに反応しやすい。という話をだすと、この局面でトルコリラにネガティブなニュースが流れると相場は敏感に反応するかもしれない。
あるいは、どんなニュースであっても弱気相場ではネガティブなニュースとして扱われてしまう可能性がもあるのだ。
そんな要素をたっぷり含んだニュースとは、やはり、「3月の地方選挙」「シリア問題とトルコ軍」、「ブレグジット」や「米中貿易戦争」。いずれもいまから数か月後とか年明け3月前後には結果がでる話ばかり。


落ちそうで落ちないトルコリラにスキはないのかというと、いくらでもネタが出てきそうだな。
いままではその局面毎に、外圧(トルコ国外からのニュース)をトルコがうまく自国利益につながるようあらゆる施策を施して来たから現在があるのだろう。
今後、1国の力ではどうにもならないような事案が起きるとひとたまりもない(これはトルコだけの問題ではないだろうが)。加えて年明け3月の地方選挙の行方如何で為替にも流れが出るのだろうか。
年明けからは、現政権支持率の動向次第では、トルコリラはじわじわと3月に向けてどちらかに動き出すかもしれんな。そのあと3月からはトルコリラのボラリティもあがるかもしれない。
まとめ
今年も、残り数日で2019年が始まる。市場はクリスマス休暇から戻ってきたトレーダの参加が始まり実質新年が始まったとみてよいだろう。
株式市場低迷というか暴落の中、予想外に底堅いトルコリラだが地政学的にも大きなターニングポイントを迎え、少し前までの反米的なスタンスから中東地域に対して米国との協業関係もあり得る状況へ推移しそうだ。
来年の選挙結果も気になるがトルコ経済を語るうえでやはり無視できない相手である米国との関係改善がトルコリラにポジティブな効果を発揮してくれることを期待したい。
どんなニュースもうまく料理してポジティブニュースに変換してくれることを期待しているぞ、きっと今後もトルコリラのやばい時期も救ってくれるんじゃないか。でも、そのためにも米国との関係や3月の選挙結果がどうなるかだな。


トルコリラスワップポイントランキング


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通貨ペアを構成する通貨のうち、相対的に高金利の通貨を売った場合、または相対的に低金利の通貨を買った場合には、その取引数量相当のスワップポイント(通貨ペアを構成する両通貨の金利差の調整額)の支払い額が日々蓄積され、時間の経過に比例して損失額が大きくなりますのでご注意ください。また、現時点でスワップポイントを受け取れるポジションであっても、将来にわたって通貨ペアを構成する両通貨の金利差が縮小または逆転した場合には、その受け取り金額が縮小したり、反対に支払いへと転ずる可能性がございます。
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